「態度変容モデル」は、マーケティング・ミックス(4P)のプロモーション戦略において顧客分析するためのフレームワークです。
態度変容モデルは、顧客の認知情報や状況が、何らかの刺激により変化していくプロセスをモデル化したものです。
1.態度変容モデルとは
プロモーション戦略立案において、コミュニケーション設計を行うには、購買までの顧客行動をモデル化することが有効です。これを態度変容モデルと言います。
2.AIDMA -最も有名な態度変容モデル
態度変容モデルで最も有名なフレームワークがAIDMA(アイドマ)です。
Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字を取って「AIDMA(アイドマ)」といいます。1924年にサミュエル・ローランド・ホールが著書「小売業の広告と販売」で提唱した、広告での生活者の心理プロセスを分析した概念です。
AIDMAは、BtoCの態度変容モデルとして使いやすいフレームワークです。
AIDMAのコミュニケーション設計例
AIDMAでのコミュニケーション設計例を示します。態度変容をモデル化したうえで、顧客を次の態度に導くための最適なコミュニケーション手段を設計します。
- 未認知→認知:TVCM、電車広告
- 認知→興味: 店頭POP、知人のおすすめ
- 興味→記憶: リターゲティング広告
- 記憶→購買: 販促キャンペーン
このように顧客の意識の流れをモデル化することで、コミュニケーション設計が容易になります。
3.AMTUL -AIDMAを改良した態度変容モデル
AIDMAは、最も有名な態度変容モデルです。しかし、AIDMAモデルへの批判からいくつかのAIDMAに変わる態度変容モデルが提案されています。
その一つが、AMTUL(アムトゥール)モデルです。
AMTULモデルが生まれた背景
AIDMAモデルでは、購買行動が態度変容の最終ステップです。そのため、初回購買以降のプロセスが考慮されていません。
自動車・住宅などの耐久財は、購買回数が少ないため顧客の態度変容を「購買行動(Action)」まで分析すれば十分でした。しかし、化粧品などの買い回り品では、初回購入後にいかに継続利用を促し、固定客化・ロイヤルカスタマー化できるかが重要です。
この初回購入後のロイヤルカスタマー化までのプロセスを考慮した態度変容モデルがAMTULです。
- Awareness(認知)
- Memory(記憶)
- Trial(試用)
- Usage(日常利用)
- Loyalty(固定利用、ブランド指名)
4.AISAS -インターネット時代の態度変容モデル
AISAS(アイサス)とは、消費者の購買行動プロセスを説明する代表的モデルの1つ。インターネット上で消費者がある商品を認知してから購買に至るプロセスで、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有) の頭文字を取ったものです。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原一司)
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