論理的な文章例文

「論理的な文章の書き方」と例文まとめ

「あなたは説得力ある論理的な文章を書けますか?」
「論理的な文章例文をいくつ読んだことがありますか?」

ロジカルシンキング講師の海老原です。

説得力ある論理的な文章の書き方を身につけるには、改善点を指摘されるだけでは不十分です。併せて改訂版の論理的な文章例文を見本としてインプットすること。「論理的な文章の完成イメージを持つこと」が上達の早道です。

しかし、見本となる論理的な文章例文を読む機会はほとんどないでしょう。本稿では、ロジカルシンキング講師として毎年100件以上の課題添削をしている筆者が、論理的な文章の書き方を解説します。そのうえで、見本として論理的な文章例文を4つ提示します。

1.論理的な文章の書き方フレームワーク

論理的文章の書き方の定番フレームワークとして「PREP(プレップ)」があります。日本では知名度が低いものの、欧米では説得力ある文章、話し方の定番フレームワークとして知られています。

1-1.PREPとは:論理的な文章の定番フレームワーク

PREPとは、Point、Reason、Example、Pointの頭文字の略です。PREPの型に当てはめることで論理的な文章が書けます。

PREP使い方例補足
Point(まとめ)「これから伝えることは、要はこういうことです」「私の主張はひと言で言うと、こうです」文章全体の主張や結論をひと言でまとめる
Reason(理由)「理由は3つあります。1つ目の理由は、●●です」Pointに対する理由を述べる。理由を3つ作るのがおすすめ
Example(例)「例えば、このような事例があります」理由に対応した実例を入れる。理由の根拠
Point(まとめ)「以上をまとめますと、要はこういうことです」主張をまとめて繰り返す。なくても構造は成り立つが、口頭説明やプレゼン、長めの文章では最後に再度まとめを行うことが多い

1-2.PREPの論理構造

PREPの論理構造を図示したものを次に示します。Point(主張)を支える複数のReason(理由)。そして、1つ1つのReasonを支えるExample(例、根拠)の構造になっています。

PREPで論理的な文章を書くポイントの一つは、ReasonとExampleを必ずセットにすること。PREPの4の要素を網羅してさえいれば良い、と勘違いされていることがあります。Reasonが3つであれば、対応したExampleを3つ書くのが正しい作り方です。

ビジネス文章の典型的構造 PREP版

2.論理的な文章:4つの例文

説得力ある論理的文章の書き方を学ぶためのPREPを使った4つの例文を示します。

【論理的な文章例文①】値引きの説得

次の論理的な文章例文のテーマは「値引き商品依頼」です。自分は営業担当者。上司であるTさんに担当者権限を越える値引き承認をもらう文章例です。

Tさん、A社提案の件が大詰めになってきたので、相談させてください。
今回、商品Bを提案しています。これを100万円から60万円で販売することを承認いただけませんか?

承認いただきたい理由は以下の3つです。

まず、60万円なら競合のC社に勝てそうです。機能はほぼ同等の商品を70万円で見積を出しています。

次に、お客様担当者のDさんは60万円ならうちの商品で通せそうだと言っています。E課長も価格が社内説明できれば、うちとの付き合いを優先したいようです。

最後に、B商品の粗利は50万円なので60万円でも利益がでます。今回の利益は下がってしまいますが、今回の案件で商談幅を広げることができるので、今年中に何件か追加商談ももらえそうです。

以上、A社向け商品Bの値引きについて承認ください。

(筆者作成)

【ポイント解説】論理的な文章例文①

論理的な文章例分①のポイントは、シンプルでわかりやすい形でPREPを使っていることです。まずは、論理的な文章の基本構造であるPREPを使いこなしましょう。

PREPを使いこなす上で漏れがちなのがReason(理由)とExample(根拠)をセットで使うこと。理由だけ、根拠だけでは、論理的な文章とは言えません。文章例では、Reason、Exampleの組み合わせが3セットがあります。

【論理的な文章例文②】オンライン会議システム提案

次の論理的な文章例文のテーマは「社内にオンライン会議システム導入を提案する」です。

オンライン会議システムZoomの導入を提案します。

まず、(Zoomに限らず)全員がいつでも使えるオンライン会議システムを導入すべきです。
当社でもテレワークが推奨されていますが、対面で会う機会はほとんどありません。実際いくつかの部門では仕事の抜け漏れなどコミュニケーションに支障が出ています。

次に、オンライン会議室システムを導入するなら使い方が簡単なZoomを導入するべきです。
オンライン会議システム活用には、すべての社員が等しく使えることが重要です。Zoomは操作もシンプルで普段パソコン慣れしていない50代の社員でも十分使えます。また、一般のセミナーなどで、すでに操作慣れている人が多いのもポイントです。

最後に、Zoomは導入実績が多いことも安心材料です。Teamsを選ぶ大企業は多いですが、当社のような中堅企業ではZoomの導入実績が圧倒的です。実際私がお付き合いしている中堅/中小企業はすべてZoomを導入しています。実績が多いため、情報システム部門の負担が軽いこともメリットです。

筆者作成

【ポイント解説】論理的な文章例文②

論理的な文章例文②もシンプルにPREPを使っています。伝える内容は全く別でも、文章構造が①と似ていています。

また、①も②もシンプルな論理構造で文章を書けば、見た目もわかりやすくなっています。論理的な文章は見た目からわかりやすいのです。

【論理的な文章例文③】モータースポーツ観戦はおすすめ

次の論理的な文章例文のテーマは「モータースポーツ観戦はおすすめ」です。

ロジカルシンキング研修では、「私のおすすめ」というテーマで、おすすめしたいことを文章として作成してもらいます。その解答例に講師が一部修正を加えたのです。

私のおすすめは、モータースポーツ観戦(F1、Indy car)です。

おすすめ理由の一つは、人の限界まで心技体を問われ一瞬の判断が命取りになる攻防が面白いことです。

例えば、F1、Indy Carはなぜモーター「スポーツ」か。ドライバーはコーナーのたびに体重の5倍前後の負荷を受けています。相撲の力士1人分を遙かに超える負荷です。2時間のレースで5Lもの汗をかくそうです。

マラソンランナー並の体力に加え、ドライバーは驚異的な動体視力、反射神経を持っています。故アイルトン・セナは「この調整ができれば、次は最終コーナーで10cm外側を走れる」といったそうです。300Kmで走りながらの10cmのコントロールは神業としか言いようがありません。

そしてなにげにすごいのが、技、体力を極限まで追い込まれる状況で集中し続けられる精神力です。一瞬のミスが文字通り命取りであるモータースポーツでぶっ続けで2時間。数あるプロスポーツでも、ここまで過酷な環境は珍しいのではないでしょうか。

(受講生課題テーマを元に筆者作成)

【ポイント解説】論理的な文章例文③

論理的な文章例文③のポイントはエピソードの活用です。エピソードは、PREPで言えばExampleに当たります。

ここでは、モータースポーツのすごさを示すのに、3つのエピソードを上げています。「例えば」以降の3段落のエピソードで、確かにすごそう、という具体的映像イメージを頭に呼び起こします。強いエピソードは、相手共感を得て対応するReasonを強めます。

【論理的な文章例文④】読書好きにはKindleがおすすめ

次の論理的な文章例文のテーマは「読書好きにはKindleがおすすめ」です。おすすめテーマは本稿用に私が書き下ろしで作成しました。

ビジネス書中心に毎年50冊ほぼ本を読んでいます。
以前は本はやはり紙で読むものと思っていましたが、最近は読書好きには
Kindleが最もおすすめと思っています。

1つ目の理由は、今はほとんどすべての書籍がKindleで読めること。
読書好きの方は過去一度は電子書籍を検討したことでしょう。しかし、以前は電子版が出ている書籍はごく一部でした。好きな本が買えないのは読書好きにはストレスです。しかし、最近は新刊含めほぼ100%電子版が選択できます。
電子版しかない書籍もあるので、電子版の方が選択肢が多いかもしれません。

2つ目の理由はKindleはとても読みやすいこと。
初期の電子書籍は正直紙より読みにくかった。たくさんの本を読む読書好きにはこの差が大きい。最近のKindleの読みやすさは別格です。目が疲れることも全くありません。
ただこれだけなら紙も同じ。電子書籍ならではのさらに読みやすくできる機能もあります。まずは文字の大きさが変えられるところ。文字が小さくて読みにくくければ大きくすればよい。そして私が便利と感じたのは英語の書籍を読むとき。Kindleは難しい単語には英英辞典の内容を自動的に表示する機能を持っています。紙の本を読むときは一々辞書で調べていたのですが、辞書連携機能のおかげで英語版を読むスピードが大幅に上がりました。

3つ目の理由は、いつでもどこでもお風呂でも読めること。
読書好きは本を持ち歩いてどこでも読んでいる人が多いでしょう。読書好きは2,3冊を鞄に入れたいところですが、ハードカバー本でもあれば腕が疲れて持ち歩くのがおっくうになります。その点Kindleならどんなに分厚い本でも文庫本1冊の重さの端末に優に100冊以上の本が入ります。上着のポケットに入るくらいなので、隙間時間があれば、サッと取り出してすぐ読書タイムに入れます。
さらに電子書籍ならではのおすすめの使い方はお風呂で読むこと。最近のKindleは防水性も向上。ちょっとぬれてもまったく問題なし。湯船につかってリラックスしながら本を読む時間は、読書好きには至福のひとときです。

(筆者作成)

【ポイント解説】論理的な文章例文④

論理的な文章例文④も例文③と同様にエピソードを活用しています。なぜエピソードが重要なのでしょうか。

この文章例文のおすすめ理由は「ほとんどすべての書籍がKindleで読めること」「とても読みやすいこと」「いつでもどこでもお風呂でも読めること」の3つです。論理構造としては正しいものの、この3つの理由だけでは実際にKindleを欲しいと思わせるには弱いでしょう。

理由を強め説得力を高めるのがエピソードの役割です。Kindleを使っているシーンが目に浮かぶようなエピソードを入れ読み手に疑似体験させるような文章例文になっています。

(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原 一司)


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