ニーズヒアリング研修

ニーズヒアリング研修|営業研修プログラム

ニーズヒアリング研修は、1000件の商談経験を元にした実践的な営業トレーニングです。

参加者は実際の担当案件を持ち込みます。実案件のニーズヒアリングの仮設検証をおこなうことで、ヒアリング力アップと重要顧客理解の一石二鳥を狙う営業研修です。

1.ニーズヒアリングとは

ニーズとは

ニーズとウォンツは、目的と手段の関係で考えるとわかりやすいでしょう。

ニーズとウォンツ
ニーズとウォンツの視点から、なぜニーズヒアリングが必要か考えます。
お客様が話す言葉ほとんどウォンツです。「あれが欲しい」「これがしたい」という手段の話です。
なぜ顧客が話すことは、ほとんどウォンツなのか。それは目的より手段の方が、頭の中で具体的イメージを描きやすいからです。
「ウォンツは話しやすいが、ニーズは話しにくい」と認識ください。
一方、目的は抽象的です。そのため、顧客ニーズヒアリング力、言い換えればウォンツをニーズに変換する力が必要です。

ニーズヒアリングとは仮説検証

ニーズヒアリングとは何をすることでしょうか。シンプルには、ニーズ仮説を立て、検証のためにヒアリングすることです。

ニーズヒアリングとは仮説検証
ニーズヒアリングは仮説検証サイクル

ニーズヒアリングのポイントを次に示します。

  • ニーズヒアリングとは:事前のニーズ仮説立案とヒアリングによる検証
  • ソリューション提案とは:ニーズとソリューションの仮説検証サイクル
  • 仮説とは:仮の説明
  • 検証とは:ヒアリングにより仮説が正しいか、間違っていればどう違うかを確認すること

ニーズヒアリングの目的・ゴール

顧客ニーズヒアリングのゴールの1つは、顧客と営業で課題認識が一致することです。

顧客の営業担当の課題認識
顧客ニーズヒアリングゴール1

図であれば、顧客は5つある課題のうち課題1、課題2、課題3を解決したいと思っています。営業担当者は、「顧客の関心はどの課題にあるか?」「課題の具体的内容は何か?」について共通認識を持つ必要があります。なお課題解決型営業では、ニーズと課題はほぼ同じです。

顧客ニーズヒアリングのゴールのもう1つは、自社の解決力が発揮でき、かつ課題解決インパクトが最も大きい課題がわかることです。

課題解決インパクトと自社解決力
顧客ニーズヒアリングゴール2

まず課題解決インパクトが最も大きい課題が、顧客ニーズヒアリングで発見すべき課題です。ただし、自社で解決できなければ提案は困難です。通常は、自社の課題解決力内で最も課題解決インパクトが大きい課題を選びます。

仮説検証型ニーズヒアリングのコツ

仮説検証型ニーズヒアリングのコツは次の3つです。

  • 視座を上げる、視野を広げる
  • 視点を変える
  • 目的の解像度を高める

視座を上げる、視野を広げる

仮説検証型ニーズヒアリングのコツ1つ目は「視座を上げる、視野を広げる」です。

営業ヒアリングはどうしても、普段会っている顧客担当者に、普段と同じ話を聞きがちです。

視座を上げる、視野を広げる

普段の1段上、2段上の視座から全体を眺めることです。いつもは見ていない領域ほど、新たな発見、発想のタネがあります。

なお、1段上、2段上とは例えば次のように視座を上げることです。

  • 担当者の視座→課長の視座→部長の視座
  • 特定工程の視座→プロセス全体の視座→同形製造ラインの視座(工場の場合)

視点を変える

仮説検証型ニーズヒアリングのコツ2つ目は「視点を変える」です。課題発見では、複数の視点からチャンスを探します。

課題発見:視点を変える

例えば「コスト低減」が口癖の顧客がいたとします。普段は自社が販売する設備の価格低減の話になるでしょう。

しかし、この企業では、例えば生産性向上による、人件費削減、単位当たり減価償却費の効果がコスト削減効果が一番大きいかもしれません。であれば、自社が如何に生産性向上に貢献できるかを考えるべきです。

「視点を変える」は、特に顧客ニーズヒアリングやソリューション提案に行き詰まったときに、意識的に行うことがおすすめです。

目的の解像度を高める

仮説検証型ニーズヒアリングのコツ3つ目は「目的の解像度を上げる」です。

目的の解像度を高める

仮説検証型ニーズヒアリングでありがちなのが、ざっくりなニーズ理解をしたらすぐに細かい手段に目がいってしまうことです。

手段を掘り下げる前に目的の解像度を上げることが重要です。目的の解像度が低ければ、解決策の切れ味も悪くなります。

目的の解像度を高めるのに使えるのがAsIs-ToBeです。AsIs-ToBeとは、現状と理想像です。課題解決のBefore/Afterそれぞれをできるだけ具体的にイメージします

AsIs-ToBeで解像度を高める

また、AsIs-ToBeは、1つではなくいくつかの要素に分けて考えるのがよいでしょう。目安は3つです。

次にまとめのイメージは「今回の課題はこういうことだと認識しています」と顧客に1分で話して納得感があるものです。また、AsIs-ToBeの具体化するなかで、まとめ自体に修正すべき点があればどんどん改定していきます。

2.ニーズヒアリング研修カリキュラム

ニーズヒアリング研修Day1

ニーズヒアリングの基礎レクチャーと仮説立案をおこないます。

  1. 課題解決型営業とは
  2. ニーズとウォンツ
  3. BtoBのニーズ
  4. ニーズヒアリングとは
  5. ニーズ仮説
  6. ニーズ仮説立案演習
  7. ニーズヒアリングのコツ

ニーズヒアリング研修Day2

Day1で立てた仮説を実際の顧客にヒアリング。Day2でニーズ仮説検証をおこないます。

  1. ニーズ仮説検証のコツ
  2. ニーズ仮説検証ワークショップ

3.ニーズヒアリングワークシート

ニーズヒアリング研修で使用するワークシートをご紹介します。

ニーズヒアリング研修ワークシート

【シート1】ニーズ仮説記載シート(検証候補)

はじめにニーズ仮説検証候補を記載します。

ニーズ仮説s記載シート(検証候補)

ここでのポイントはニーズとウォンツをセットで出すこと。あえて先にウォンツを出しウォンツと対比することでニーズが出しやすくなります。

ニーズ仮説は3つの候補を出し1つを選んで詳細化します。いったん広く出してから重要なものを選択するクセをつけます。また、仮設検証が失敗したらすぐ次にいけるよう候補を持っておきます。

【シート2】ニーズ仮説詳細化用シート(ヒアリング前)

シート1からニーズ仮説を一つ選び詳細化します。

ニーズ仮説詳細化シート(ヒアリング前)

まずできるだけ解像度の高いニーズ仮説を記載します。講師は必要に応じてその場でパソコン上でどんどん仮説案を書き直していきます。

次にニーズ仮説を、AsIs-ToBe(現状と理想像)を意識しながら具体化していきます。このAsIsとToBeがヒアリングすべき内容です。

【シート3】ニーズ仮説検証用シート(ヒアリング後)

シート2で立てたニーズ仮説を元に顧客ヒアリングをおこないます。ヒアリング結果を記載するのがシート3です。

ニーズ仮説検証用シート(ヒアリング後)

ここでのポイントは、聞いた事実と解釈を分けること。事実はできるだけ顧客の発言を忠実にカギ括弧の言葉で記載します。

ヒアリング結果を元にどんな解釈ができるか?次に何を検証すべきか?異なる解釈ができないか?をワークショップ形式で改善します。

5.ニーズヒアリング研修関連記事

ニーズヒアリング研修の関連記事を紹介します。課題解決型営業研修はニーズヒアリングから提案書作成までワークショップと個別添削で進める研修です。課題解決型営業研修の前半とニーズヒアリング研修はほぼ同等の内容です。

「課題解決型 営業研修」講座案内

「課題解決型 営業研修」受講者感想

「課題解決型 営業研修」テキスト資料

(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原一司)