プロダクト3層モデル

プロダクト3層モデルとは|4P分析|マーケティング戦略

マーケティング講師の海老原です。

プロダクト3層モデルは、製品価値構造を3層に分け整理するマーケティングフレームワークです。

プロダクト3層モデルでは、製品特性を「中核」「実態」「付随機能」の3層に分け、それぞれの層で製品特性の要素を考えます。 マーケティング・ミックス(4P)の製品戦略(Product)フレームワークの一つです。

※ 過去の筆者作成記事を基に大幅に加筆修正

1.プロダクト3層モデル:中核、実体、付随機能

プロダクト3層モデルでは、製品を中核(コア)、実体、付随機能の3つに分けて価値構造を整理します。3層それぞれについて説明します。

プロダクト3層モデル

1-1.製品の中核(コア)

プロダクト3層モデル第1層は製品の価値の本質、コンセプトです。顧客が求める製品の中核的なベネフィット、価値、サービスなどです。

1-2.製品の実体

プロダクト3層モデルの第2層は、製品の実体、製品の特性を構成する価値です。具体的には、実際に顧客が入手する製品を特徴づけている要素。「機能」「品質」「スタイル」「ブランド」「パッケージ」などです。

1-3.製品の付随機能

プロダクト3層モデルの第3層は、間接的に顧客にとっての製品の価値を高める要素です。製品やサービスに付随する、配達、設置、保障、アフターサービスなどが含まれます。

2.プロダクト3層モデル事例:スマートフォン

プロダクト3層モデル事例としてスマートフォンの例を示します。

プロダクト3層モデル事例:スマートフォン
プロダクト3層モデル事例:スマートフォン

2-1.スマートフォンの中核

スマートフォンの中核は、電話機能、メール機能、インターネット接続機能などです。手軽なコミュニケーション手段、情報収集手段を提供していることが本質的価値でしょう。

2-2.スマートフォンの実体

スマートフォンの実体は、デザイン、バッテリーの持ち(充電後利用時間の長さ)、通信速度、カメラ性能などです。スマートフォンは多くの機能から構成されており、それらの一つ一つが実体です。また、製品の実体には「iPhone」のようなブランドも含まれます。

2-3.スマートフォンの付随機能

スマートフォンの付随機能は、故障時の交換サービス、サポートサービスなどです。AppleはAppleStoreで専門スタッフの高度なサポートを受けられる「ジーニアスバー」を開設しています。ジーニアスバーは本来は製品の付随機能です。しかし洗練されたサービス提供によりブランド価値を高める役目も持っています。

3.プロダクトライフサイクル(PLC)と3層モデル

製品戦略を検討するためのフレームワークにプロダクトライフサイクル(PLC)があります。PLCの視点でみるとプロダクト3層モデルの中核、実体、付随機能のどこに重点を置くべきか整理しやすくなります。

3-1.プロダクトライフサイクルとは

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル/PLC)とは、次の図のようなS字型のカーブの製品・市場の成長パターンです。時間軸で「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステップに分けられます。

プロダクトライフサイクル(PLC)

ほぼすべての製品は、プロダクトライフサイクルの4つのステップを経て成長、衰退していきます。ここでポイントとなるのは、プロダクトライフサイクルのステップごとに顧客ニーズや自社のとるべき製品戦略が変わってくることです。

3-2.製品ライフサイクルとプロダクト3層モデル

プロダクトライフサイクルのステップごとに顧客ニーズは変化します。一般には、プロダクト3層モデルにおいてはじめは中核(コア)が重視されます。以降時間経過とともに、実体、付随機能と重点が移っていきます。

導入期の携帯電話

導入期に重視されるのはプロダクト3層モデルの中核(コア)です。

例えば、携帯電話では、とにかく「つながって話せること」が重視されます。携帯電話の導入期においてdocomoは最も多い無線基地局を持ち、他社に比べ圧倒的な国内エリアカバー率を実現していました。強力な中核機能のおかげでdocomoは導入期に圧倒的なシェアを獲得し、その影響は成長期まで続きました。

成長期の携帯電話

成長期ではプロダクト3層モデルの中核に加え実体が重視されます。

実体の機能による差別化を実現したのが、2000年に開始したJ-PHONE(現在のソフトバンク)の「写メール」です。現在では写真を添付できることは当然の機能ですが、テキストメールが主流だった当時は画期的でした。J-PHONEは写メール投入で市場シェアを大きく伸ばしました。

成熟期の携帯電話

成熟期ではプロダクト3層モデルの付随機能の重要性が高まってきます。

成熟期ではつながる・話せるという中核はもちろん、実体である機能による差別化も難しくなります。そこで携帯通信キャリア各社は、「ゼロ円ケータイ」を導入しました。ゼロ円ケータイは付随機能として割賦払いによる金融サービスを提供したものと考えられるでしょう。

※ ゼロ円ケータイは、現在は総務省の指導により提供ができなくなっています。

(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原一司)


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