問題解決プロセスにWhyはいらない

問題解決プロセスにWhyはいらない(Whereがあれば良い)

ロジカルシンキング講師の海老原です。

ロジカルシンキングで学ぶべきことを大きく2つに分けると「問題解決スキル」「コミュニケーション」があります。筆者が主催するロジカルシンキング研修では、わかりやすく日常業務で使えることを目指しています。しかし、特に問題解決スキルはなかなか日常業務での活用が難しいものです。

そこで、日常業務で使える問題解決プロセスについて考えたことをまとめます。

1.問題解決プロセス:What→Where→Why→How

問題解決プロセスにはいくつかバリエーションがあります。どれも基本的な考え方は同じです。最もオーソドックな問題解決プロセスは「What→Where→Why→How」の4ステップです。

  1. What:問題定義
  2. Where:問題点特定
  3. Why:問題点の原因分析
  4. How:解決策立案

2.問題解決プロセスにWhyはいらない(Whereがあればよい)

改めて問題解決プロセスのテキストをつくるに当り、筆者は思いきって「Why:問題点の原因分析」をすっぱり削除しました。つまり、What→Where→Howの3ステップです。

本来原因分析をせずに解決策立案できません。厳密に考えると問題解決プロセスで原因分析を飛ばすことは間違いとすら言えます。そのことを理解しつつ、なぜあえてWhyを飛ばしたのでしょうか。

2-1.WhereとWhyの区別は難しい

英語の意味からもわかる通りWhereは問題点=問題の場所の特定。WhyはWhereのプロセスで特定した問題点の原因を究明する作業です。問題解決プロセスのWhereとWhyのステップの違いは比較的明確なように思えます。

筆者はファシリテーターとして、現場の課題について何度も問題解決プロセスに沿って議論をしてきました。しかし、ほとんどの人がいま問題解決プロセスのどのステップの話をしているのか自覚できないのが実情です。比較的区別がしやすいWhere(問題点)とHow(解決策)のプロセスでも、ファシリテーターが何度も論点を戻してやっと議論ができます。ましてや、似た概念であるWhereとWhyを区別することは困難です。

MBA生でも区別が難しい問題解決プロセス

筆者が問題解決ファシリテーションした中には多くのMBA生もいました。しかし、MBAでもWhat→Where→Why→Howの問題解決プロセスを明確に区別して議論できる方はまれです。筆者の経験では、現実の課題を考えるときに問題解決プロセスをコントロールできる方は5%以下でしょう。

トヨタグループでも困難

問題解決が得意な企業といえばトヨタ自動車を思い浮かべます。ただ、あるプロジェクト資料をみたことがありますが、トヨタグループの方でもWhereとWhyの区別は曖昧でした。おそらく、製造現場の課題であればうまく処理できるのでしょう。なぜなら、製造現場でのWhereとは物理的な場所を指すからです。目に見える問題であればWhereとWhyの区別は比較的容易です。

しかし、教育、組織などなど具体的に見えにくい対象の分解では、あのトヨタグループでさえうまく問題解決プロセスをコントロールできないのです。

3.実務で使うための問題解決プロセスの要諦

では、問題解決プロセスを現場の実務で使うにはどうするか。ポイントをまとめます。

3-2.What→Where→How

私が問題解決プロセスを教えるときは、Whyを飛ばして教えます。すなわち次のステップです。

  1. 問題定義
  2. 問題点特定
  3. 解決策立案

3-2.綿密な分析より全体像を掴むこと

問題解決プロセスを現実で使う場合に私が重視しているのが「プロセスの全体像を掴むこと」です。
ありがちなのが、What→Where→Howのそれぞれの1つ1つプロセスに時間をかけ直線的に進むパターン。私はこのやり方は大抵うまくいかないと考えています。
オススメは、まずはWhat→Where→Howそれぞれで大体の当りをつけること。綿密な分析を行うよりも問題解決プロセスの全体像を掴むことを優先します。

問題解決プロセスは大づかみしてから精緻化

What→Where→Howを流れとして捉え、それぞれのロジックがつながっているか、現場目線で違和感がないかを確認します。全体像を掴んだうえで、バランス良く精緻化を図っていきます。


(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原 一司)


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