ロジカルシンキング研修テキスト

「ロジカルシンキング研修」テキスト資料公開

ロジカルシンキング講師の海老原です。

ロジカルシンキングとは何でしょうか。ロジカルシンキングの基本についてできるだけ簡単に、専門用語を使わず、ポイントを解説します。

筆者が行っているロジカルシンキング研修のレクチャーテキスト資料をほぼそのまま公開します。

1.ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキング研修の第1章は「ロジカルシンキングとは」です。ロジカルシンキングの主要要素と効用について説明します。

ロジカルシンキングとは、何をすることか?

ロジカルシンキングとは、ポイントを押さえて深く考えること。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキング研修では「目的を押さえ続ける」「構造的に考える」「要は、例えばを使いこなす」の3つのポイントに絞って考え方を教えます。

ロジカルシンキング研修期間中の3ヶ月間は、6回の講座中はもちろん、日常業務でも「目的を押さえ続ける」「構造的に考える」「要は、例えばを使いこなす」の3つのポイントを徹底的に意識し続けます。

ロジカルシンキングの効用

ロジカルシンキングの効用

ロジカルシンキング研修で理解して欲しいのは効用です。自分にとって何の役に立つか。ロジカルシンキングに限らず、学ぶ意義の腹落ちはスキル向上に直結します。ただし、話す、聞く、書くなどビジネスのあらゆる場面で活用可能なのがロジカルシンキングの真骨頂。毎日意識して使うかどうかで大きくスキルの差が出ます。

ロジカルシンキングの効用は「わかりやすくなる」「正しい答えがでる」「スピードが上がる」の3つです。

わかりやすくなる一瞬で相手に伝わるようなわかりやすい文章が書ける。
納得性を高め相手を動かす
正しい答えがでる構造的に考える。もれなく深く考えることで、より正しい(正しい可能性が高い)答えに近づく
スピードが上がるロジカルシンキングをマスターすると思考スピード、理解のスピードが上がある。
例えばあらかじめ構造を頭に入れて相手の話を聞けば素早く理解できる

本研修で目指すロジカルシンキング

ロジカルシンキングは意外とマイナスイメージを持たれています。

本講座で目指すロジカルシンキング

ネガティブイメージの原因は、あなた自身ではありません。あなたの周りの人、教えてくれた人がネガティブな印象を植え付けるロジカルシンキングしか使ってこなかったからです。

「ロジカルシンキングは使えた方がよい」と思う一方「小難しい」「冷たい」というネガティブな印象を持たれているのが論理思考の実態です。

ロジカルシンキング研修では、論理思考に対する認識をネガティブからポジティブなものに変革します。本研修で目指すのは、日常で使えるロジカルシンキング。論理思考の習慣化には、ロジカルシンキングに対するポジティブなイメージの獲得が必須です。

ロジカルシンキング研修受講者の感想を引用します。

受講前はロジカルシンキングに対して冷たく近寄りがたい印象を持っていました。しかし、講義を受けたことで相手との関係を良くするために身に着けたいスキルへ変わりました。

(ロジカルシンキング研修受講者感想より)

2.目的を押さえ続ける

ロジカルシンキング研修の第2章は「目的を押さえ続ける」です。ロジカルシンキングで真っ先に考えるべきが目的です。

目的を押さえる

「目的を押さえる」とは、「起きて欲しいことのイメージを持つこと」です。目的をしっかり押さえた上で、実現手段を考えます。あやふやな目的のまま手段を考えても、目的達成はできません。

実務上は「①大まかな目的を考える」「②起きて欲しいことのイメージを持つ」「③それを実現する手段を考える」の3ステップで考えることをおすすめしています。

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント1

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント1つ目。目的の解像度を高めることです。

目的の解像度を高める

目的の解像度が高ければ最適な手段がとれます。的でいうと、真ん中に当たる可能性が高くなります。
一方、目的が曖昧では達成されたかどうかが分かりません。手段の善し悪し、成果を把握するにも目的の解像度を高めることが必要です。

曖昧な目的例解像度の高い目的例
上司に案件情報を共有する上司に案件情報を共有し顧客提示価格の承認をもらう
痩せる3ヶ月後に今より10kg体重を落とす
お客様にメールするお客様に進捗報告することで安心してもらう

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント2

目的を押さえるときのポイント2

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント2つ目。「上位目的」と「このメールの目的」は分けることです。

ロジカルシンキング研修では題材としてメール課題を使っています。メールでは、メールそのものの目的とメールを通じて達成したい上位目的の2つが有ります。2つの目的の区別がロジカルシンキングのポイントです。

目的改善例

目的検討例

このメールの目的と上位目的を分けて改善した例です。

最初に考えた目的は「X月X日の会議に参加して欲しい」です。これがメールの目的です。

次に上位目的を考えると「X月X日の会議で全員参加の活発な議論をしたい」と考えられるとします。
上位目的を考えると、単に会議に参加してほしいだけでなく「事前に会議内容について準備し、かつ前向きな状態で参加してほしい」がメールの目的によりふさわしいでしょう。

このように上位目的を考えるとメールの目的が変わってくる。必然的に手段(メールの書き方)も変ります。

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント3

目的を押さえるときのポイント3

ロジカルシンキングで目的を押さえるときのポイント3は、手段と目的の区別です。

【ロジカルシンキング研修の一コマ】目的を押さえ続ける

「目的を押さえ続ける」をテーマに、実際にロジカルシンキング研修でどんなディスカッションをしているか。具体例を示します。

海老原: では提出されたメール課題を皆さんで1通ずつ見ていきます。まずはAさんのメールです。Aさん、このメールの目的はなんですか?
Aさん: 上司から作成依頼されている資料についての現状共有です。

海老原: なるほど。上司への現状共有によって、何が起きて欲しかったのでしょう
Aさん: メールを読んで上司が資料作成の現状を理解することです。

海老原: 上司が理解すると何がうれしいのでしょう?「上司が理解」を手段として、その目的を表現してみましょう。
Aさん: 上司に安心してもらうことでしょうか。順調に進んでいるので安心してください、と。

海老原: なるほど安心してもらうこと、が目的ですね。他に何か上司への期待はありませんでしたか? 例えば、手伝って欲しいことがあるとか?
Aさん: ないですね。むしろ今は余計な口を出さないで見守っていて欲しい。

海老原: かなり明確になりましたね。
まとめると『現状共有によって上司に安心して欲しい。このままAさんに任せておけば大丈夫と感じ不要な横やりが来ない状態を作る』と言い換えられそうです。同じ現状共有でも目的、狙いは千差万別なことがわかると思います。

3.構造的に考える

ロジカルシンキング研修の第3章は「構造的に考える」です。

構造的に考えることはロジカルシンキング3つのポイントのうちの一つです。

ロジカルシンキングを使った典型的文章構造

ロジカルシンキングを使った典型的文章構造をわかりやすく示します。

ビジネス文章の典型的構造

このように論理構造は「要は」と「例えば」の2つだけの要素で構成されます。また、「要は」は「文章全体の要は」と段落ごとの「サブ要は」に分かれます。

論理的な文章というと、難しい、堅苦しいと考える方がいます。しかり論理的な文章は、シンプルにわかりやすく表現可能です。

文章全体の「要は」とは

「要は」とは言い換えれば「要約」です。文章で有れば冒頭1,2行程度に圧縮して全体の要約を示します。最初に要約が示されることで、そのあとの文章がスッと読めるようになります。

「要は」とは

メールを例に「要は」が、読み手にどんな影響を与えるのか、なぜ重要なのか補足します。

一つは、「読み手は『要は』を見て、以降の読むスタンスを決める」ということです。読み手は、「要は」をみて、このメールは単なる情報共有なのか、確認を求めているのか、何かの判断を求めているか、などを判断します。例えば、情報共有のようにみえて、最後の最後で判断/返信を求められると読み手は混乱します。このとき書き手と読み手で誤解が生じるのです。

二つ目は、「読み手は『要は』を見て、以降の読む/読まないを決める」ということです。1日200通のメールを読む忙しい上司を想像してください。すべてのメールは読まず優先順位をつけている可能性が高いでしょう。すると、「要は」が理解できなければ、後回し、最悪全く読まれないかもしれません。

論理的文章の定番フレームワーク「PREP」とは

ビジネス文章の典型的構造 PREP版

論理的文章の定番フレームワークとして「PREP」があります。日本では知名度が低いですが、英語圏では文章構造の定番として知られています。

  • Point: 文章全体は要はこういうことです。
  • Reason: 理由は3つ。1つめは、、
  • Example: 例えば、このような事例があります。
  • Point:    最後に再度まとめると

PREPと先ほどの典型的文章構造を比べると同じことを示しているのがわかります。ロジカルシンキング研修では、両方を紹介し「覚えやすい方を使ってください」としています。

4.ロジカルシンキングを活かすための姿勢

ロジカルシンキング研修では、論理思考を活用する上での態度・姿勢を重視しています。それは「相手目線で考える」と「情報量を増やし、誤解を減らす」の2つです。

論理思考と関係ないようにも思えますが、にわかロジカルシンカーと本当のロジカルシンカーの一番の違いが論理思考に対する姿勢です。

ロジカルシンキングを「冷たい」「小難しい」と考える方は多くいます。それは、このロジカルな態度を身につけた論理思考の使い手に会っていないだけかもしれません。

①相手目線で考える

ロジカルシンカーは相手目線で考える。

相手目線で考える

②情報量を増やし誤解を減らす

論理的な文章は誤解が少ないものです。

誤解の原因

誤解が減ると無駄が減る。

誤解が減ると無駄が減る

誤解のない文章を書くことのメリットはなんでしょうか。

一番はきちんと伝わることにより無駄が減ることです。仕事の後戻り、メールの不要なやりとりなど、ロジカルシンキングで誤解を減らす文章を身につけるだけでチームの生産性はぐっとあがります。

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