ソリューション営業とは

「課題解決型 営業」と「御用聞き 営業」の違い

営業講師の海老原です。

筆者は受講者の重点顧客をテーマに個別指導しながら商談を実際に進める課題解決型営業研修を主催しています。

本記事では、課題解決型営業と御用聞き営業の違いについて説明します。

1.課題解決型 営業とは

課題解決型営業、またはソリューション営業とはなんでしょうか。対比される言葉として御用聞き営業があります。

御用聞き営業とは

御用聞き営業とは何か。具体的な職業イメージ、行動イメージで考えてみましょう。例えば、一昔前の酒屋さんが典型例です。行動としては、ひたすら近所の顧客をルートで回り「今日の注文はありますか?」と聞いていきます。

御用聞きは、お客様のやりたいことがはっきりしており(「一番絞りが飲みたい」)、競争の少ない環境では有効です。
しかし、酒屋の例では、「人が注文を取りに来てくれる」だけでは、便利さではコンビニ、安さではディスカウントストアの競合に勝てず、今では小規模の酒屋はほとんどなくなりました。

まとめると御用聞き営業とは、顧客が伝えたことをそのまま実現する人です。酒屋の例では、「発注の楽さ」「お酒を持ってくる手間の削減」以外には付加価値がありません。

課題解決型 営業とは

課題解決型 営業が目指すのはお客様の課題解決です。ソリューション営業も、最後は顧客に何か商品・サービスを販売します。しかし、基本スタンスは課題解決の手段として商品・サービスがあるという位置づけです。

課題解決型 営業は双方向コミュニケーションする

御用聞き営業はお客様が伝えたことをそのまま実現する人と書きました。顧客から要件を聞く、ヒアリングを行うことはソリューション営業も同様です。

ただし、御用聞き営業のヒアリングは、一方的に顧客の話を聞いているだけでも成り立ちます。
対して、ソリューション営業のヒアリングは双方向です。課題解決のために顧客に能動的に質問するのがソリューション営業です。

2.課題解決型 営業とは:筆者定義

課題解決型 営業はお客様の課題解決をすると書きました。私はもう少し踏み込んで次のように定義しています。

課題解決型 営業とは、
顧客だけでは、発見できないか解決できない課題を解決し、
顧客企業に経済的メリットをもたらす営業スタイルのこと

(筆者定義)

課題解決できる

まずソリューション営業は課題を解決できる必要があります。

ソリューション提案対象選択のための問いが「それは顧客社内で解決できるか?」です。顧客社内でできるならば内製化と比較した価格競争になります。顧客社内ではできないが自社は解決できる提案」を行います。

課題発見できる

課題解決型 営業で重要なのは、まず「解決価値のある課題を探すこと」でしょう。課題発見に必要なのがニーズヒアリングスキルです。

課題発見力のレベルは、次の2つに分かれます。「顧客だけで発見できるか?」「顧客だけでは発見できないか?」です。

顧客だけで発見できる課題の解決は受託業者です。受託業者は要件定義されたものを仕様通りに納めます。

課題解決型 営業の目標は「顧客だけでは見つけられない課題を発見すること」です。それにより、単なる仕入れ先、受託業者ではなく顧客のビジネスパートナーと認識されます。

3.課題解決型 営業に必要なスキル:問題発見力

課題解決型 営業には、課題解決力と課題発見力が必要でした。両方のスキルが必要ですが、あえて言えば課題発見力が重要です。

AIでは代替できない問題定義力

VUCA(ブーカ)と呼ばれる現在、ソリューションだけでの差別化は、難しくなっています。また、将来解決策はAIが探してくれるようになるでしょう。

人手による営業機能として最後に残るのが課題発見力とリレーション構築の2つです。課題発見力は、問題定義力ともいえます。

AIが人間を代替できないことのひとつが問題定義です。

※ VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、読み方はブーカ。社会環境の複雑性が増し、想定外の出来事が起こり、将来予測が困難な状況を意味する

mazrica times内容もとに筆者改定

課題解決型営業に必要なニーズヒアリングスキル

課題発見手段が顧客ニーズヒアリングです。BtoBでは、主要な情報入手方法は対面によるヒアリングです。課題解決型 営業には顧客ニーズヒアリング力が不可欠です。

課題解決型 営業にはニーズヒアリングスキルの向上が必須です。

(文責:プロジェクトファシリテーター、ロジカルシンキング講師 海老原一司)


(参考)関連記事まとめ

課題解決型 営業

課題解決型営業の記事まとめです。

営業ヒアリング

営業提案


(参考)企業研修プログラム

課題解決型 営業研修

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ニーズヒアリング研修

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